プレスリリース  2006/10.24

「フィリピン残留日本人2世集団帰国」無事終了しました。


身元未判明問題を訴える2世(10月14日、シンポジウムにおいて)
戦後、60年以上経ても未だ身元が判明しない、フィリピン残留日本人2世の15名が、自分のアイデンティティを探し、身元未判明者問題を訴えるために、2006年10月12〜18日にかけて集団帰国を行いました。準備期間も含め長期間のハードなスケジュールをこなし、無事集団帰国を終了することができました。
 2世たちは連日、多くの報道記者に囲まれ会見に臨み、PNLSC主催による「フィリピン残留日本人集団帰国シンポジウム」では、彼らの波乱に満ちた戦中・戦後体験、数十年にも及び夢にまでみた日本への想いを、直接市民に訴えました。そして彼らの声は数々の報道機関を通してたちまち日本全国に広まっていきました。
 その結果、日本国内で多くの反響を呼びました。その中でも特に、今回帰国した2世の親族である、と名乗り出てくださった方がおられました。PNLSCは名乗りをあげてくださった方々と親族の可能性があると思われる3名の2世の希望に応えるべく彼らの帰国日程を急遽変更しました。2世とPNLSCスタッフはそれぞれ広島と沖縄に飛び、父の郷里と父の親族との対面を果たしました。対面後の2世たちは日本の自分の親族に会えた喜びで活き活きとしていました。
 また忙しいスケジュールのなか、2世たちは合間をぬって東京観光を楽しみ、東京タワーや浅草などを訪れ、リラックスした様子で祖国日本を味わいました。
一方、東京家庭裁判所における調査官面接では、真摯な態度で臨み、それが調査官にも伝わったようで、身元判明における大きな一歩を踏み出したという実感が持てました。
今回の集団帰国は、日本に身元未判明問題を訴えるための第一段階です。帰国した2世以外にも、フィリピンには未だ数多くの戦後置き去りにされた残留日本人が存在しています。しかしながら同時に、戦後60年以上も経ち高齢化を迎えた残留日本人2世達は、アイデンティティを確立させないままこの世を去っていくという現実もあります。車椅子や目がほとんど見えない状態になりながらも「日本人」 という
自己のアイデンティティの確立のために日本を訪れた年老いた2世の姿をみると、この問題の解決が緊急であると思わざるを得ません。同時に、今回帰国した2世全ての皆さんが、「日本に来れてよかった」と満面の笑顔を携えてフィリピンに戻られた様子を見て、PNLSC一同、問題解決に向けて更にがんばっていこうという気持ちになりました。
今回の集団帰国のために全面的に支援してくださった日本財団、ご寄附をいただいた市民・企業の皆様、帰国者への心暖まるプレゼントを送ってくださった皆様、その他、あらゆる側面で支援、協力、参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。今後ともフィリピン残留日本人身元未判明問題解決に向けてご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

この件に関する問い合わせ先 
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