プレスリリース  2008/11.06

 2008年 集団一時帰国報告。
集団一時帰国へのご支援ありがとうございました。
太平洋戦争の戦場となったフィリピンにおいて、多くの日本人2世たちは、戦中、戦後に社会的、経済的に大変な苦労を背負ってきました。戦後の強い反日感情のなか、日本人であることを隠して生きてこなければならなかった彼らは、無国籍の状態に置かれています。本年7月15日から21日の日程で16名の残留日本人2世たちが、日本国籍の取得、そして戦後63年経過した現在も未解決であるフィリピン残留日本人の問題を多くの方々に知っていただくため、集団一時帰国を果たしました。(参加者プロフィールhttp://www.pnlsc.com/news2/08-7-4-profile/index.html

国籍取得のための東京家庭裁判所調査官による面接、国会議員との面会、集団一時帰事業の助成元である日本財団への表敬訪問、大学での講義(上智大学、早稲田大学)等の行程を終え、帰路につきました。

残留日本人2世16名の帰国実現のためにご支援をいただいた日本財団をはじめ、市民、企業の皆様方に厚く御礼申し上げます。


親族対面
今回の集団一時帰国参加者の一人、外薗(ほかぞの)キクさん(63)にとって、お父さんの故郷を日本を訪れることは長年の夢でありました。キクさんは、本年2月PNLSCの調査により、1世である外薗秀雄さんお父さんの身元が判明。鹿児島市に在住する親族と連絡を取ることができ、7月16日、同市を訪れて親族との対面を果たしました。
 *キクさんと親族との対面やお墓参りなどの動画はこちら(1:49秒)http://jp.youtube.com/watch?v=eZclUoVs5Cg&eurl=http://blog.canpan.info/koho/archive/477

   


集団一時帰国アルバム
@「フィリピン残留日本人問題等特別委員会」のメンバー議員との面会
2世参加者より国会議員の方々へご支援に対する感謝、そして議員からは戦中、戦後と国家の狭間で苦労された日系2世への労いと「2世の国籍取得に向け全力を挙げて努力する」との約束をいただきました。



A記者会見の様子(日本財団ビルにて)
本来、日本人である彼らは日本人としての日本人のアイデンティテイーを回復するために日本国籍の取得を求める証を求めて、無国籍であることやさまざまな思いを報道関係者の前で語りました。





B日本財団笹川陽平氏との面会
日本財団よりフィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC)が実施する「フィリピン残留日本人2世国籍回復事業」の助成をいただいています。この度の集団一時帰国事業によって念願だった父親の故郷を訪れることができた感謝の気持ちを日本財団会長笹川陽平氏に伝えました。





C外務省、厚労省へ表敬訪問
国家の狭間で無国籍の状態に置かれているフィリピン残留日本人2世の存在、問題点をご理解いただくため両省庁を訪問しました。
 

C都内観光
短い滞在中に絞りこまれた忙しいスケジュールの合間をみて、PNLSC会員、在留のフィリピン日系人と都内観光に出かけました。








D公開講座・写真展(上智大学、早稲田大学)
早稲田大学、上智大学で開催された公開講義ではそれぞれ白日光弁護士、丸田由香里弁護士が「フィリピン残留日本人と国籍問題」の問題の所在について解説。講義のなかで日系人2世らが自らの体験、国籍取得に向けた思いを会場の皆さんに伝える機会となりました。

写真展「戦前におけるフィリピンへの日本人移民とその子孫」(早稲田大学)
第二次世界大戦前、道路建設や農業開拓のためにフィリピンへ移住した日本人は約3万人にのぼりました。戦前にフィリピンへ移住した日本人と当時の生活の様子、戦中、戦後の写真を展示しました。





E帰国集会・交流会
フィリピン残留日本人問題の解決に向け、その問題の所在から具体的な方策までをPNLSC青木秀茂弁護士が解説。フィリピンで生まれ、戦前、戦中に日本へ帰国した「引揚者」の方々と、残留日本人2世、一般の参加者と座談会形式で語る場となりました。





この件に関する問い合わせ先 
特定非営利活動法人 フィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC)
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Fax 03-3355-8862  E-mail info@pnlsc.com  HPhttp://www.pnlsc.com
 





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