プレスリリース  2010/8.24

 2010年集団一時帰国報告
戦後65年を迎えた今年、フィリピン残留日本人2世9名が、日本国籍と身元の確認を求めて、8月3日から8月9日まで一時帰国をしました。(帰国者プロフィール→http://www.pnlsc.com/2010-8-profile/index.html)。支援してくださった市民・企業の皆様方に厚く御礼を申し上げます。


                      
■記者会見と写真展(日本財団)

到着後日本財団で記者会見があり、自分の父や祖国日本に対する思いを述べました。また、8月3日から6日まで、フィリピン日本人社会と、残留日本人の生活をテーマとした写真展が開催されました。


■調査官面接(東京家庭裁判所)
 
8月4日、5日は、就籍対象者の7名について、担当弁護士や通訳者と共に、東京家庭裁判所の調査官面接を行いました。ほかの2名については、父親の故郷を訪ねて、それぞれ広島、京都へ向いました。


■講演会(上智大学)

8月6日、上智大学グローバル・コンサーン研究所主催により、講演会を開催しました。前半は無国籍ネットワークの主催者である陳天璽先生より講演があり、後半は当所から「残留日本人問題と国籍回復運動」についての解説を行いました。


■帰国集会

8月7日には当所主催の『帰国集会』を開催しました。京都大学東南アジア研究所特任教授の大野俊先生による講演の後、帰国者と市民の皆さんが直に話し合う座談会が行われました。帰国者たちは浴衣を着用し、またシルバーカレッジOB会による合唱もあり、アットホームな雰囲気の中でお互いの疑問や意見を交わす良い機会となりました。


■議員連盟と外務省、厚生労働省訪問

8月6日、国会議員からなる「フィリピン残留日本人問題等議員連盟」の幹事長下地幹郎議員と事務局長糸川正晃議員に面会し、フィリピン残留日本人の現状と救済の声を伝えました。また、河合弘之代表からは、高齢化の進む残留日本人問題において、一刻も早い問題解決と、孤児名簿の必要性が訴えられました。


8月9日、外務省と厚生労働省を訪問し、日ごろの身元調査への協力に感謝の意を述べると共に、戦後65年が経過した現在でも未だ解決していないこの問題について、今後の一層の支援と協力をお願いしました。




参加者たちの感想 

イラ ヨランダ (ダバオ市 65歳)

集団帰国事業で日本を訪問できたことは、私の人生で最も幸せで思い出深い経験となりました。日本はとても清潔で何でも自動化された国で、人々もとても優しかった。浴衣を着られたことや日本の歌を聞けたことも、とても嬉しかったです。



カスミ マリア フェ (南コタバト州ジェネラルサントス市 67歳)

戦中から持ち続けていた私の思いを聞いて下さった、国会議員、各省庁の職員、日本の報道機関の皆さんに大変感謝します。初めて父の国である日本を訪れ、フィリピンでは受けたことのないようなもてなしで歓迎され、大変幸せでした。



コダマ ヘルミニア (ミサミスオリエンタル州バリンガサグ町 68歳)

日本国籍取得のために東京家庭裁判所で面接をする機会を得られたことに大変感謝します。私たちをサポートしてくれる弁護士、裁判所調査官、国会議員、省庁職員、マスコミの皆さんに大変感謝します。



コバヤシ ロレン (コンポステラバレー州マビニ町 83歳)

今回日本訪問をサポートしてくれた皆さんに大変感謝しています。日本財団やPNLSCの皆さん、ありがとうございました。



サカモト ハシント (マニラ首都圏バレンズエラ市 70歳)

同じ境遇にある残留日本人の人々と日本を訪れることができ、感謝しています。省庁職員や報道関係者、裁判所のスタッフ等、みんな私たちを温かく迎えてくれました。日本国籍を取得出来たら、もう一度日本に来て、父の故郷である大阪へ行きたいと思います。



シゲトミ フアニタ (ベンゲット州バギオ市 65歳)

自分の父親がどこの誰だかも知らず、「もし父が生きてここにいてくれたら」と思いながら育つのは、とても辛いことです。私たち家族の人生は平穏なものではありませんでしたが、この事業で、父の祖国である日本を訪れ、残留日本人問題について学ぶこともできました。本当にありがとうございました。



ノナカ ノナ (イロイロ州サンラファエル町 65歳)

まさか日本を訪れる日が来るとは、夢にも思っていませんでした。私の国籍取得を支援してくれる全ての人に感謝します。子どもの頃からの夢だった日本国籍取得が、現実に近づきました。ありがとうございました。



広瀬 ヘロニモ (セブ州リロアン町 65歳)

今回私たちの存在を伝えてくれた報道関係者の皆さんにお礼を言いたいです。そして、私たちを快く迎えてくれた省庁職員に感謝しています。この事業が今後も継続され、未だ身元が判明しない残留日本人も救われることを心から願います。



河田 サテ (ギマラス州ブエナビスタ町 69歳)

私は集団帰国事業に参加することで長年の夢がかなえられ、父の身元がわかり、本当に幸せです。PNLSCや河合先生をはじめ弁護団のみなさん、ありがとうございました。





この件に関する問い合わせ先 
特定非営利活動法人 フィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC)
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